T&E+ PROJECT
T&E+プロジェクトのご案内
プロストリンガー育成プロジェクト
目指すは四大大会での活躍、そしてcafé併設のテニスショップオープン




——「支えるプロ」こそ、特性が輝くフィールドへ。
このプロジェクトの始まりは、あるひとりの若者のアクションからでした。
人前で声を発することが難しい「場面緘黙」という症状を抱えながらも、「自分の手で、何かを極めてみたい」と願ったその思いが、T&Eに新たな挑戦をもたらしました。
“プロストリンガー”――それは、プロ選手のパフォーマンスを陰で支える、ラケットの張り職人。
競技の勝敗をも左右するこの専門職は、極度の集中力と丁寧さ、そして何より「信頼」が問われる世界です。
障害者スポーツといえば「プレイヤー」が注目されることが多い中で、私たちが目指したのは、“支える側のプロフェッショナル”という全く新しい道。
本人の特性を「弱み」ではなく「強み」に変えることができる職域にこそ、新しい社会の可能性があると、私たちは信じました。
そこから2年半。
参加者たちの努力と、国内外のテニス関係企業・関係者の皆様の温かいご支援により、私たちはついに、日本の男子・女子ナショナルチームのサポートストリンガーとして公式に活動するまでに成長しました。
これは単なる「就職支援」ではありません。
誰かの挑戦が、誰かの希望となり、そして社会に新たな選択肢をつくる、本物のプロジェクトです。
今後は、プロストリンガーたちが働ける場として、カフェを併設したテニスプロショップのオープンを目指しています。
また、4大大会(グランドスラム)への帯同も、いま現実的な目標として動き出しています。
「支える力」が、未来を変える。
プロとして、世界へ。
T&E+の挑戦は、ここからが本番です。
テニスの頂点へ、もう一歩――
T&Eテニスストリンガー育成プロジェクトが、男子ナショナルチームに続き、女子ナショナルチームの公式サポートへ。
約7年前、誰もが難しいと口にしたプロジェクトが、今、世界の舞台へとつながっています。
障害のある若者たちが、世界で戦う日本代表選手のラケットを任される――
そんな「夢物語」を、私たちは実現してきました。
2025年3月に男子日本代表ナショナルチームメンバー(錦織圭選手などが所属)へのサポートストリンガー就任に続き、
このたび、杉山愛監督率いる女子日本代表ナショナルチームの公式サポートストリンガーにも選ばれることとなりました。
これは、技術力と信頼、そして何より「プロとしての責任感」を真摯に積み上げてきたプロジェクトメンバーの努力の結晶であり、
同時に、ここまで支えてくださった多くのテニス関係企業の皆さま、関係者・支援者の皆さまのお力添えによって拓かれた道です。
心より感謝申し上げます。
T&E+のプロストリンガー育成プロジェクトは、単なる職業訓練ではありません。
それは「不可能を可能にする力」を信じ、社会の可能性を広げていく挑戦です。
誰ひとり取り残さないために――この歩みは、まだ始まったばかりです。
—— T&Eが提案する
「次世代型 就労継続B型事業所」のかたち
T&Eでは現在、カフェを併設したテニスプロショップの立ち上げを目指しています。
単なる店舗ではなく、“誰もが自分のペースで、力を発揮できる”新しい働き方の拠点。
そして、私たちの理念を体現する「次世代型 就労継続B型事業所」です。
一人ひとりの“働きたい”を、もっと柔軟に支えるために
就労継続支援のもうひとつの選択肢 ― T&E流のB型のかたち
障害のある方の「働きたい」を支える制度には、就労移行支援をはじめとして、さまざまな形があります。その中のひとつに、雇用契約を結び最低賃金を保証する「就労継続支援A型」があります。A型は、ある程度の労働条件を満たせる方にとって非常に重要な仕組みであり、社会とのつながりを深めるための貴重なステージとなっています。
一方で、T&Eがこれから立ち上げようとしているのは、「就労継続支援B型」を活用した、より多様な働き方に対応できる新しい就労支援のかたちです。たとえば――
・体調や特性によって、毎日・長時間の勤務が難しい
・社会復帰の第一歩として、まずは“できること”から始めたい
・時間や内容に融通のきく働き方を通して、自信を取り戻したい
そんな声に寄り添いながら、**「プロフェッショナルを目指せる現場」と、「それぞれのペースで社会とつながれる空間」**を両立させるのが、私たちの考える“次世代型B型”です。
工賃の“金額”ではなく、“価値”をつくる
近年、「B型=低賃金」という印象がメディアなどで取り上げられることが増えました。
ですが、現場の声に耳を傾けると、多くのB型事業所通所希望の方(ご本人・ご家族・関係者)がこう話してくれます。
「少しでも工賃が出ることが、自分が“社会の一員”として認められている実感になる」
「お金のためだけじゃなく、“役割がある”ということが嬉しい」
T&Eでは、創業当初の作業所時代から一貫して、工賃を“経験の入口”と捉えてきました。
必要経費を除いた全額を工賃としてお支払いし、金額以上に、「責任感」「やりがい」「達成感」といった社会で生きる上で欠かせない力を育むことに重きを置いています。
それぞれの“得意”を活かし、つながる未来へ
この新しい事業所では、T&Eで育ったプロストリンガーたちが第一線で活躍し、さらにカフェでは、調理補助や接客、衛生管理など、それぞれの特性に合った業務に挑戦できます。
**「働きたいけど、何ができるか分からない」**という方でも、自分のペースで可能性を見つけられる環境です。
また、T&Eが長年就労移行として、築いてきた企業とのつながりや、物販・サービス業に強い派遣会社との連携も進行中。
**“B型から一般就労へ”**という、従来では難しいとされてきたルートにも道筋をつくっています。
働くことを、“選べる”社会にしたい
病気や障害があることで、「働き方」が限定されてしまうのではなく、「働きたい」という気持ちが、どんな形であっても実現できる社会を、私たちは目指しています。
カフェの香り、プロが張り上げるストリンギングの作業音、お客様同士の会話、そして何より、仲間と笑い合いながら過ごす“働く日常”。
それは、どこにでもある風景ではありません。
だけど、T&Eがつくるこの場所では、きっと当たり前に存在するものです。
次世代型 就労継続B型事業所
それは、単なる支援の場ではなく、ひとり一人の人生が輝くステージです。

T&E+PROJECT TANAGOCORO掌
感性をかたちに、手のひらから世界へ




木と触れ合うことで、心と体に穏やかな力を
木に触れると心が落ち着く―。そんな感覚は常に語られてきましたが、近年の研究がその“感覚”に科学的な根拠を与えています。
「例えば、ヒノキやホワイトオークの木材に手のひらで触れることで、前頭前野の活動が落ち着き、心拍変動の“リラックス”を司る指標が高まるという研究結果があります。 90秒間手のひらで触れた後、体が静かに良い状態へ整っていく…そんな“木のやさしさ”が、科学によって裏付けられているのです」
こうした「ウッドタッチ」の実感を元に、T&Eでは“手のひら=掌”から名付けたTANAGOCORO(掌)プロジェクトとして、木と触れ合うことで生まれる心身のゆるぎない安定感を提供しようとしています。
プロ仕様へ―木工を“趣味で終えない”、本物の場へ
有名家具メーカー様から提供いただいた端材を用い、ただ趣味で作るのではなく、販売できるクオリティを追求します。
T&Eの木工プログラムでは、テニスのストリンギングと同様に、プロフェッショナルとしての仕事を目指しています。
すでに静岡県掛川花鳥園で開催される「ことり万博」に連続出店し、TANAGOCORO製品は多くのお客様の手元へと届いています。
これからは、ネットショップ開設の他、次世代型B型事業所との連携も進め、作り手と買い手が出会い、育つ環境を整えていきます。