PROGRAM
工賃の発生する基本プログラム【作業】
工賃を得て、収入を得るということを学ぶ




T&Eの作業プログラムは、1989年の設立時から一度も絶えることなく続いてきた、私たちの支援の柱です。
長年にわたり、多くの企業様からご協力をいただきながら、封入・封緘・検品・組み立て・シール貼り・箱詰めなど、比較的取り組みやすい作業を継続的に提供してきました。
しかし、私たちが大切にしているのは、作業の“内容”そのものではありません。
作業というツールを通じて、以下のような“働くための基礎力”を、段階的に育てていくことを目的としています。
-
チームで仕事を進める力
-
作業工程を理解する力
-
周囲を見る力、声をかけあうタイミング
-
最後までやりきる力と達成感
内容は一人ひとりの状態に合わせて柔軟に振り分けられるため、無理なく、着実にステップアップできる設計になっています。
また、T&Eでは作業の質にもこだわりを持ち、企業様から「確実で丁寧」と高い評価をいただいています。
そして、設立当初から工賃は必要経費を除いた全額を分配。金額の大小に関わらず、自ら働いて収入を得るという実感は、自己肯定感や金銭管理の力につながります。
就労移行支援はハードルが高いと感じ、B型事業所を選ぼうとされる方も少なくありません。
T&Eでは、B型的な要素を含む柔軟な運営を行っているため、移行支援を諦める前に立ち寄る選択肢としても、多くの方がここから就職へとつながっています。
「できることから始めたい」
「焦らず、自分のペースで力をつけたい」
――そんな想いを大切にしながら、T&Eの作業プログラムは、今日も静かに、着実に若者の背中を支えています。
スポーツプログラム
楽しみながら、心と体の“体力”を育てる




T&Eのスポーツプログラムが大切にしている「体力」とは、単に身体を鍛えるという意味だけではありません。
私たちは、 精神的なスタミナ、つまり“しなやかに日々を過ごす力”も体力のひとつだと考えています。
T&Eに通う若者の多くは、これまでの学校生活などで体育やスポーツに対して苦手意識を抱いてきた方たちです。
体育の授業や部活動での「勝ち負け」や「できる/できない」によって、楽しむ前にあきらめてしまった経験がある方も少なくありません。
そこでT&Eでは、 競争や評価ではなく“楽しむこと”を軸にしたスポーツプログラムを展開しています。
運動が得意でなくても、チームの中で「協力する」「声をかけ合う」「一緒に笑う」といった経験を通して、 自然と協調性や自信が育っていくようデザインされています。
プログラムでは、テニス、バレーボール、バドミントン、卓球、サッカー、フットサルなどを中心に、 利用者の希望に応じて競技の幅を広げています。
どれも“本格的な練習”ではなく、 楽しむ・動く・つながることが目的です。
「昔は苦手だったけれど、今は週に1回が楽しみ」
そんな声が自然と増えていく――
それがT&Eのスポーツプログラムです

パソコンプログラム
T&Eのパソコンプログラムは、「パソコンは苦手で…」という方から、「もっとスキルアップしたい!」という方まで、どんなレベルの方でも安心して参加できる内容です。
「そもそも電源の入れ方から知りたい」
「文字入力すら自信がない」
――そんな方も、基礎の基礎から段階的に学べる環境を整えています。パソコンに触れるのが初めてという方も、気負わずに始められます。
使用する教材は、T&E職員が現場の声をもとに開発した独自のパソコン教材。
実務に即した内容で構成されており、市販教材よりも高い習得効果があると、多くの方から高い評価をいただいています。
また、「もっとできるようになりたい」という希望を持った方には、Word・Excelなどの応用スキルや、資格取得のサポートも行っています。
実際に、パソコンに苦手意識を持っていた利用者が、MOS(Microsoft Office Specialist)資格を取得して卒業するケースも少なくありません。
一人ひとりのペースに合わせて、基礎から応用まで。
パソコンプログラムは、「わかる」「できる」「使える」へとつながる自信を育てます。
社会とつながる、最初の一歩
― 社会体験&その他プログラム ―
T&Eでは、支援のゴールを「就職」だけに限定せず、日常の中で“社会とつながる感覚”を身につけることを大切にしています。
「行ってみたいけど、ひとりではなかなか…」
「今まで誰かに任せきりだったけど、そろそろ自分でやってみたい」
そんな気持ちに寄り添うのが、社会体験プログラムです。
たとえば――
テーマパークや動物園で**“楽しむこと”を思い出す時間**。
家族に選んでもらっていた洋服を、初めて自分で選びに行く体験。
苦手な人が多い美容院へ、一緒に行ってみる挑戦。
就活用のスーツを、スタッフと相談しながらそろえる準備。
こうした一つひとつの経験が、「自分で選ぶ」「自分で動く」感覚を育てていきます。
その結果、外出の幅が広がったり、新たな趣味につながったり、
社会で“自分らしく生きる力”を、自然と身につけることができるのです。
中には、このプログラムをきっかけに就職の意欲が高まり、
「今度は自分で美容院に行ってきます」と、卒業していく方もいます。
T&Eでは、こうした**“小さな社会参加”の積み重ねこそが、大きな成長につながる**と信じています。

1年に一度の、人生を動かす2泊3日
宿泊研修にて大きな力と自信を身につける




T&Eの年間プログラムの中でも、最も大きな変化と自信を育むのがこの「宿泊研修」です。
毎年1回、2泊3日で実施されるこのプログラムには、 ただの“旅行”では得られない学びと、かけがえのない経験が詰まっています。
とはいえ、「宿泊」という言葉に不安を感じる方は少なくありません。
実際、T&Eに見学に来られる方の中にも、「強制ですか?」と尋ねられることがあります。
ご安心ください。T&Eのすべてのプログラムは 参加を強制するものではなく、自分の気持ちを大切にできる場として設計されています。
それでも、あえてこの宿泊研修をおすすめしたい理由があります。
2泊という短い時間の中で、「いつもと違う環境に自分を置いてみること」「仲間と時間を共有すること」「小さな挑戦を重ねること」が、驚くほどの自信と変化につながるからです。
研修後には、「行ってよかった」「想像よりずっと楽しかった」「仲間ともっと仲良くなれた」という声が多く聞かれます。
なかには、「学生時代はずっと避けてきた“宿泊”が、T&Eで初めて安心してできた」という方も。
T&Eの宿泊研修は、“できるかどうか”ではなく、“やってみたい気持ち”に寄り添うプログラムです。
誰かと寝食を共にすること、環境の変化を乗り越えること――
そのすべてが、 「社会の中で暮らしていく力」につながっていきます。